野口晴哉氏の評判が高くなり、道場が手狭になり、広い道場と家に引っ越した。
やたらと安かった。
その理由は2代続けて首吊り自殺を出し、女性の幽霊もでるというお屋敷だからだ。
野口氏は、その2代続けて首つり自殺をした土蔵の2階を自分の書斎にした。
「Oさんという人が、この家は家相が凶相になっていると言った。だけど僕は、自分の使いよいように、壁をぶち抜いたり、間仕切りをしたり、勝手に造作を変えてしまったんだ。そしたらある日、Oさんがやってきて、すっかり家相がよくなっている、と驚いていた。人間、気が満ちているときは、自然に、よいように、よいように動いてゆくまんだよ」