脳のなかの天使


清水さんが講座のなかで持論を展開していた。

「西洋マジック(注)は身体上に架空のチャクラシステムを作った」。

 

その話を聞きながら、私はかつて清水さんと本屋に行った際、彼が手に取った本~脳の中の身体地図~と、ラマチャンドランの著作を思い出していた。

 

架空のチャクラシステムだが、実在する感覚は持てるだろうか。

 

それは可能だろう。

 

ところで、

訳者は、なぜ、原題「The Tell-Tale Brain」を「脳のなかの天使」という素敵な邦題にしたのだろうか。

 

本の「はじめにーただの類人類ではない」の中にある以下の文から取ったのかもしれない。

『いったいどうして、手にひらにのるくらいの大きさしかない、重さ3ポンドのゼリーのような物体が、天使をし想像し、無限の意味を熟考し、宇宙におけるみずからの位置を問うことまでできるのだろうか?』

 

(注)ここでいうマジックとは、主にゴールデン・ドーン(The Hermetic Order of  the Golden Dawn)の流れを指す。